く05 グリーン家のアダ>>>グンテル王

グリーン家のアダ324,561
グリーン殺人事件273,「・」326→ヴァンダイン
グリッサンド570,628
グリム268→『古代独逸詩歌傑作に就いて』
『グルドン詩篇』340
グレートヘン・の手527,624,625,今様・634
グロース380,ハンス・グロス389→『予審判事要覧』
グロース463→「古代軍器書」
グローマン風に分けた長い銀色をした頭髪521→レヴェズ
グロゴウ438→ツイタウ(プロシャ)
グロジック町457→波蘭ポーランド
鉄琴グロッケンシュピール327
グロテスク610,・な爆発647,華美はなやかな邪魁グロテスクな夢575
魁異グロテスケリ279
グンテル王371,・の英雄155→ジーグフリート

グリーン家のアダ

324,561→コンスタンス・ケント
★当該作品未読の方にはネタばれになるため、この件についてはノーコメント。

映画「The Greene Murder Case」(1929)のアダ Jean Arthur

グリーン殺人事件

273,「・」326→ヴァンダイン
▼「そうだ支倉君、君にこの事件の覚書を作って貰いたいのだが。大体グリーン殺人事件*がそうじゃないか。終り頃になってヴァンスが覚書を作ると、さしもの難事件が、それと同時に奇蹟的な解決を遂げてしまっている。然し、あれは決して、作者の窮策じゃない。ヴァンダインは、如何に因数ファクターを決定する事が、切実な問題であるか教えているんだ。だからさ。何より差し当っての急務と云うのが、それだ。因数ファクターだ――さしずめその幾つかを、このモヤモヤした疑問の中から摘出するにあるんだよ」273p

■「グリイン家の惨劇」 『新青年』昭和4年6-9月号 平林初之輔訳
■『グリイン家惨殺事件 世界探偵小説全集24 』平林初之輔譯 s4博文館(抄訳)
■『グリーン家殺人事件』 延原謙訳 ぶらっく選書7 s.25 新樹社
■『グリーン家殺人事件』 井上勇訳 世界推理小説全集16 s31東京創元社
★原文テキスト The Greene Murder Case (1928)はこちら
 原書カバー

グリッサンド

570,628
▼所が、そのうち竪琴ハープのグリッサンドが、夢の中の泡のように消えて行って、旗太郎の第一提琴が主題の旋律を弾き出すと、……その時、実に予想もされ得なかった出来事が起ったのである。570p
■glissando[伊] ハープやバイオリンなどの弦楽器で、割に広い音域を急速に滑るように奏する方法。滑奏。【広辞苑】

関連サイト

グリム

268→『古代独逸詩歌傑作に就いて』
▼「オヤ妙な転換があるぞ。元来この一句は、水精ウンディネよ蜿うねくれ──なんですが、これには、女性のUndineうんでぃねにusをつけて、男性に変えてあるのです。然し、これが何から引いたものであるか、御存じですか。それから、この館の蔵書の中に、グリムの『古代独逸ドイツ詩歌傑作に就いて』かファイストの『独逸ドイツ語史料集』でも」268p

■Grimm. Jacob (1785-1863)Uber den altdeutschen Meistergesang 1811。G.Wilhelm(1786-1859)の弟【IB】
■グリム兄弟の長兄。法制史・印欧語研究で名を成し、1819年から1834年にかけて発行された「ドイツ語文法」が特に有名。大学卒業前の1805年にザヴィニー教授の招きを受け、パリで法政史研究の助手として働く。1806年にドイツに戻ってきたが、今度はナポレオン戦争の後始末で、公設秘書として各国を飛び回り、ウィーン会議にも出席している。その後、『ドイツ語文法』を1819年から1834年にかけて発行。途中、1829年、弟と共にゲッティンゲン大学に呼ばれ、司書官兼教授として教鞭を執った。

関連サイト  関連サイト

『グルドン詩篇』

340
■クードルーン,グードルーン Kudrun,Gudrun ドイツ中世叙事詩(1240頃)の女主人公.【IB】
★後世のクリームヒルトの原型といわれる。
★『王女クードルーン』古賀允洋訳 (講談社学術文庫 1252)
★虫太郎『潜航艇「鷹の城」』ではグドルン詩篇となっている。

関連サイト  関連サイト

グレートヘン

・の手527,624,625,今様・634
▼けれども、僕はそれとは反対に、既に善良な護神ゲニウス――グレートヘンの手が、ファウスト博士に差し伸べられているのを知っているのです。では、何故かと云いますと、大体あの悪鬼の犠牲とならなかった人物が、もうあと何人残っていると思いますね。527-8p
■Gretchen(Margaret) ゲーテ「ファウスト」の登場人物.
★清純と寛容の象徴か?【欧羅巴文學を併せ觀たる英文學史】

関連サイト

グロース

380,ハンス・グロス389→『予審判事要覧』
▼(註)法水がグロースと云ったのは、『予審判事要覧』中の犯人職業的習性の章で、アッペルトの『犯罪の秘密』から引いた一例だと思う。以前召使だった靴型工の一犯人が、或る銀行家の一室に忍び入り、その室と寝室との間の扉を鎖さしめないために、予め閂穴の中に巧妙に細工した三稜柱形の木片を挿入して置く。それがために銀行家は、就寝前に鍵を下そうとしても閂が動かないので、既に閉じたものと錯覚を起し、犯人の計画はまんまと成功せしと云う。380p
■Grosz, Hans(1847-1915) ドイツの刑法学者.Handbuch fur Untersuchungsrichter als System der Kriminalistik,1893, Kriminalpsycchologie,1898【IB】
★【殺人論 小酒井不木全集205,225p】【グリーン家殺人事件】参照。

関連サイト

グロース

・の「古代軍器書」463
▼それ等陳列品を巡視しているうちに、恐らく法水は、彼が珍蔵しているグロースの「古代軍器書」を、此の際持参しなかった事が悔まれたに違いない。463p
■Francis Grose(1731-1791)スイス出身、イギリスで活躍した古物収集家、辞書編集者。1755-1763年リッチモンドヘラルド社に勤務。スコットランドからアイルランドへ向けてアンテーィク蒐集の旅団に加わるが、ダブリンにて急死。同名の息子はニューサウスウェールズ州の副知事となった。主な著作はAntiquities of England and Wales (1773-87), Antiquity of Scotland (1789-91). A Classical Dictionary of the Vulgar Tongue (1785), A Provincial Glossary (1787)
★「古代軍器書」は「a Treatise on Ancient Armour and Weapons」London, 1786.


Grose, Francis: “The Antiquities of England and Wales” (1783) より Machines of War and Castle Diagram
関連サイト

グローマン風に分けた長い銀色をした頭髪

521→レヴェズ
▼そのグローマン風に分けた長い銀色をした頭髪かみのけの下には、狂暴な光りに燃えて紅い燠おきを凝然じいっと瞶みつめている二つの眼があった。521p
■Sid Grauman(1879-1950)ビバリーヒルズの興行主として出発し、南カリフォルニアで最も有名なグローマンズ・チャイニーズ・シアターを設立。

左からグリフィス、チャップリン、グローマン
関連サイト  関連サイト

グロゴウ

438→ツイタウ(プロシャ)の

グロジック町

457→波蘭ポーランド
▼つまり、一八八一年の猶太人虐殺の際に、波蘭グロジック町の猶太人が十二宮に光を当てて、隣村に危急をしらせたと云う史実があるほどだし……、457p
■Grodzisk【世界地図】
★1881 December 25, WARSAW (Poland)
Anti-Jewish riots began in Poland. In Warsaw twelve Jews were killed, many others were wounded, and some women were raped. Two million rubles worth of property was destroyed. All of this led to an increase of emigration to the west.

関連サイト

鉄琴グロッケンシュピール

327
▼所が、キィゼヴェッテルの『古代楽器史』を見ると、月琴タンブルは腸線楽器だが、平琴ダルシメルの十世紀時代のものになると、腸線の代りに金属線が張られていて、その音ねが恰度、現在の鉄琴グロッケンシュピールに近いと云うのだがね。327p
■(原語の Glockenspiel は鐘を鳴らす意)小型の鉄板を音階的に並べ、撥ばちで打って演奏する打楽器。17世紀頃オランダで改良。鉄心琴。【広辞苑】

Glockenspiel in der Potsdamer Garnisonskirche von 1880
関連サイト

グロテスク

610,・な爆発647,華美はなやかな邪魁グロテスクな夢575
▼そして、それがあの破壊的な、神聖な狂気を駆り立てて世にもグロテスクな爆発を惹き起させたのだよ*。647p
▼それが、目前の犯行に、直接関係があるかどうかは兎も角として、或は、ファウスト博士特有の装飾癖が壮観嗜ごのみであるにもせよ、到底そのような荒唐無稽な事実が、現実に混同していようとは信じられぬのである。ああ、その瀑布の轟き――華美な邪魁グロテスクな夢は、まさに如何なる理法を以ってしても律し得ようのない、変畸へんき狂態の極みではないか。575-6p
■grotesque [仏・英]怪奇的。奇怪。異様。無気味。グロ。【広辞苑】

関連サイト

魁異グロテスケリ

279
▼無髯むぜんで赭丹色しゃたんしょくをした顔には、顴骨突起かんこつとっきと下顎骨が異常に発達している代りに、鼻翼びよくの周囲が陥ち窪み、その相は如何にも醜怪で──と云うよりも寧ろ脱俗的な、所請胡面梵相こめんぼんそうとでも云いたい、まるで道釈画どうしゃくがか十二神将しんしょうの中にでもあるような、実に異風な顔貌だった。そして、頭に印度帽テュルパンを載せた所と云い――その凡てが、一語で魁異グロテスケリと云えよう。278-9p
■grotesquely【副】【JSE】

グンテル王

371,・王の英雄155→ジーグフリート
▼あの人形は犯人にとると、それこそグンテル王の英雄(ニーベルンゲン譚中、グンテル王の代わりに、ブルンヒルト女王と闘ったジーグフリートの事)なんで御座いますからね。155p
■Gunther ドイツの伝説上の人物.ニーベルンゲン伝説ではブルグント族の王,クリームヒルトの兄.【IB】

Fussli, Johann Heinrich 「Kriemhild zeigt Hagen das Haupt Gunthers」1805
関連サイト

△辞典リスト   △PAGETOP