し03 手働四輪車>>>書簡箋

手働四輪車278,279,284,285,286,400
撞木409,547
棕櫚糸時計ビスマーク島ダクダク講社の408
主楼しゅろう209
舜しゅんの韻学118
四妖271→物質構造の四大要素
屍様図259,526,610 一族の特異体質を暗示している・526,・の半葉610,270,615,646
小円柱火箭のように林立している292→礼拝堂
照応488,531
瘴気しょうき 196
象形文字434,金字塔ピラミッド前・265,カルデア・458
象徴悲劇544
象徴樹210,636→トピアリー
小亭列柱式の210
衝動的呼気385→インスピラチオン,衝動的616→ショック
鍾乳石606
尚武革しょうぶがわ197
墻壁しょうへき208 檣壁しょうへき 449,523*誤植?
障壁457,467
鐘楼211,297,299,307,310,312,329,562 ・階段297,332,・の廻廊562,・の十二宮349,の頂上471・の点鬼簿444 ・らしい中央の高塔211,尖塔下の・297
書簡箋615

手働四輪車

278,279,284,285,286,400
▼「いや、その不具な部分を俟まってこそ、殺人を犯す事が出来たのですよ。僕は貴方の肉体でなく、その手働四輪車と敷物しきものだけを見ているのです。多分ヴェンヴェヌート・チェリニ(文芸復興期の大金工で驚くべき殺人者)が、カルドナツォ家のパルミエリ(ロムバルジヤ第一の大剣客)を斃たおしたと云う事蹟を御存知でしょうが、腕で劣ったチェリニは、最初敷物カーペットを弛ゆるませて置いて、中途でそれをビインと張らせパルミエリが足許を奪われて蹌踉よろめく所を刺殺したのでした。然し、算哲を斃すためには、その敷物を応用した文芸復興期ルネサンスの剣技が、決して一場の伝奇ロマーンではなかったのです。つまり、内惑星軌道半径の縮伸と云うのは、要するに貴方が行った、敷物カーペットのそれに過ぎなかったのですよ。扨さて、犯行の実際を説明しますかな」284p
■車椅子 歩行の不自由な人のために工夫された、車つきの椅子。【広辞苑】

撞木

▼そうしているうちに、ジジイッと、機械部の弾条が物懶げな音を立てると同時に、塔上の童子人形が右手を振り上げた。そして、カアンと鐘に撞木が当る、とその時まさしく扉の方角で、秒刻の音に入り混ざって明瞭と聴き取れたものがあった。547p
■仏具のひとつ。鐘・鉦たたきがね・磬けいなどを打ち鳴らす棒。多くは丁字形をなす。しもく。【広辞苑】

棕櫚糸時計

ビスマーク島ダクダク講社の408
■棕櫚・棕梠・椶櫚 ヤシ科シュロ属の常緑高木の総称。特に、日本原産のワジュロをいう。幹は高さ6メートル余、円柱状で直立、枝はなく毛で被われる。幹頂に葉を叢生、葉柄は長く、基部は繊維に富む。葉身はほぼ円形、掌状に深裂。雌雄異株。五月頃、葉のつけ根から多数に分岐した花序を生じ、黄色の小花を無数につけ、雌花は小球状の核果を結ぶ。材は柱・器皿・鉢・盆または撞木(シユモク)とする。毛苞は縄・刷毛・箒とし、葉は晒して毛払い・夏帽子・敷物などとする。同属で中国原産のトウジュロと共に、庭園などに植栽。
■棕櫚毛 シュロの葉柄の基部にある褐色の繊維。縄・たわしの材料。【広辞苑】

主楼しゅろう

209
▼けれども、正門までは手入れの行届いた自動車路*が作られていて、破墻梃崩しと云われる切り取り壁が出張った主楼の下には、薊と葡萄の葉文が鉄扉を作っていた。209p

舜しゅんの韻学

118
▼孔子は舜しゅんの韻学の中に、七種の音を発する木柱のあるのを知って茫然となったと云う。
■中国の古代説話に見える五帝の1。顓頊せんぎょくの六世の孫。虞の人で、有虞氏という。父は舜の異母弟の象を愛し、常に舜を殺そうと計ったが、舜はよく両親に孝を尽した。尭の知遇を得て摂政となり、その二女娥皇と女英を妃とした。尭の没後、帝位につき、天下は大いに治まった。即位後18年、南へ視察し、蒼梧の野に崩。大舜。虞舜。【広辞苑】

四妖

271→物質構造の四大要素
▼あの一句は、ゲーテの『ファウスト』の中で、尨犬むくいぬに化けたメフィストの魔力を破ろうと、あの全能博士が唱える呪文の中にある、勿論その時代を風靡ふうびした加勒底亜カルデア五芒星術の一文で、火精サラマンダー・水精ウンディーネ・風精ジルフェ・地精コボルトの四妖に呼び掛けているんだ。271p
■……mysteirum Salamandra, Conventus Syl. phorum, antra gnomorum,……【大全90p】
サラマンダー

屍様図

259,526,610 一族の特異体質を暗示している・526,・の半葉610,270,615,646
▼「然し、一端不幸な暗合が現われたからには、それを飽く迄追及せねばなりません。のみならず、一方その事実と対照するものは、一族の特異体質を暗示している屍様図があるのです。また、それを、四人の方が幼少の折、日本に連れて来られたと云う事実に関聯させるとなると、それからは明らさまに、算哲の異常な意図が透し見えて来るのですよ」526p

小円柱

火箭のように林立している292→礼拝堂
▼礼拝堂の中には、褐あかい蒸気の微粒が一杯に立ち罩こめていて、その靄もやのような暗さの中で、弱い平穏な光線が、何処か鈍い夢のような形で漂うている。その光は聖壇の蝋燭から来ているのであって、三稜形さんりょうけいをした大燭台の前には乳香が燻たかれ、その烟けむりと光とは、火箭かせんのように林立している小円柱を沿上へのぼって行って、頭上遥か扇形に集束されている穹窿きゅうりゅうの辺にまで達していた。292p
シャルトル

照応

488,531
▼「冗談じやない。決してそれは文典でも――詩でもない。勿論、類推でも照応でもないのだよ。実際に真正の虹が、犯人とクリヴォフ夫人との間に現われたのだがね」488p
■物事や文章などで二つのものが互いに対応すること。【広辞苑】
■correspondence相応,対応,該当【JSE】

瘴気しょうき

196
▼けれども、予期に反して、降矢木一族の表面には沼気ぬまけ程の泡一つ立たなかったのだが、恐らくそれと云うのも、その瘴気しょうきのような空気が、末だ飽和点に達しなかったからであろうか。196p
■熱病を起させる山川の悪気。【広辞苑】

象形文字

434,金字塔ピラミッド前・265,カルデア・458
▼無論算哲博士に、考古学の造詣がなけりや問題にはしないけれども、この形と符合するものが、ナルマー・メネス王朝辺りの金字塔前象形文字の中にある。第一、こんな窮窟な不自然極まる形の中に、博士が何故描かねばならなかったものか、考えてみ給え。265p
■hieroglyph 有形物の形をかたどって作った文字。古代中国・エジプトの文字など。形象文字。【広辞苑】

象徴悲劇

544
▼そこへ、壁に手を支えながら、津多子夫人が現われた。彼女は大正の中期――殊にメーテルリンクの象徴悲劇などで名を謳われただけあって、四十を一、二越えていても、その情操の豊かさは、青磁色の眼隈めくまに、肌はだえを包んでいる陶器のような光りに、嘗かって舞台に於けるメリサンドの面影が髣髴となるのであった。544p

象徴を打ち撒けて置いた531
▼所で、今となれば御気付きでしょうが、僕は事件の関係者を映す心像鏡として、実は詩を用いました。そして、数多の象徴を打ち撒けて置いたのです。つまり、それに合した符号なり照応なりを、徴候的に解釈して、それで心の奥底を知ろうとしました。531p
■symbole 仏語の訳語。中江兆民の訳書「維氏美学」(1883年刊)に初出 語源(ギリシア語「シュンボロン」)は割符を意味する。そこから、一般的には、あるものと関わる別の物を指示する作用をいう。特に象徴を、同じような指示作用をもつ記号・アレゴリー・隠喩などと区別して用いる場合には、単に抽象観念を指示するだけでなく、それ自身の固有の形象的な価値の中に、全体的なイメージを凝縮し具象化することによって、その表徴となるものを指す。【広辞苑】

象徴樹

210,636→トピアリー

小亭

列柱式の210
▼花苑を縦横に貫いている散歩路の所々には、列柱式の小亭や水神やサイキ或は滑稽な動物の像が置かれてあって、赤煉瓦を斜はすかいに並べた中央の大路を碧色みどりいろの釉瓦くすりがわらで縁取りしている所は、所謂矢筈敷ヘリング・ボーンと云うのであろう。210p
■小さいあずまや。【広辞苑】

衝動的吸気

385→インスピラチオン,衝動的616→ショック

鍾乳石

606
▼坑道の天井からは、永年の埃の堆積が鍾乳石のような形で垂れ下っていて、呼吸をする毎に細塵が飛散して来て、咽喉が擽くすぐられるように咽むせっぽかった。606p
■stalactite(「鍾乳」は「鐘乳」に同じで、つりがねの表面の突起の意)石灰洞の天井から垂下した円錐状ないし円筒状の石灰質沈殿物。普通は白色または灰色。中心に穴があり、断面に成長を示す同心円模様が見える。石灰岩の割れ目を雨水が通過し、炭酸カルシウムを溶かして流れ、滴り落ちる時に沈殿したもの。いわつらら。氷柱石。石鍾乳。【広辞苑】

関連サイト

尚武革しょうぶがわ

197
▼綸子りんずと尚武革しょうぶがわを斜めに貼り混ぜた美々びびしい装幀の一冊を突き出すと「紋章学!?」と検事は呆れたように叫んだ。197p
■菖蒲革 藍地に白く菖蒲の葉や花の模様を染め出した鹿のなめしがわ。「尚武」「勝負」と音が通ずることから、縁起がよいとして武具に用いた。山城の石清水八幡宮の神官が内職に染めたものという。【広辞苑】

墻壁しょうへき

208
檣壁しょうへき 449,523
▼然し、さしもクリヴォフが築き上げた檣壁すらも、僕の破城槌バッテリング・ラムにとれば、決して難攻不落のものではないのだ。
■牆壁・墻壁 垣とかべ。かこいのかべ。へだてるもの。じゃま。さまたげ。【広辞苑】

障壁

457,467
▼「すると、貴方がたを殺すとでも云いましたかな。いや、事実あの方には、到底打ち壊すことの出来ない障壁があるのです」467p
■へだてのかべ。しきり。転じて、さまたげ。じゃま。【広辞苑】

鐘楼

211,297,299,307,310,312,329,562
 ・階段297,332,・の廻廊562,・の十二宮349,の頂上471・の点鬼簿444 ・らしい中央の高塔211,尖塔下の・297
■かねつき堂。しゅろう。【広辞苑】

関連サイト

書簡箋

615
▼実際無比ユニークだ。犯人の智的創造たるや、実に驚くべきものなんだ。この書簡箋は、既とうに一年もまえ、現在のものに変えられたと云うのだからね。勿論それ以前に――あの乾板は、事件の蔭に隠れている、狂人染みたものを映して取っていたのだよ。615p
■手紙を書く用紙。便箋。【広辞苑】

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