か03 頭布カーチーフ>>>乱咲蘭カテリア・モシエ

頭布カーチーフ368
緞帳カーテン401,430,終幕の・460,暗黒凶悪な・474,最後の幕の・どんちょう636,窓掛カーテン437,帷幕カーテンで区切られた一劃471,・の外471,・の間630→たれまく,→とばり,→いばく
閉幕カーテン・フォール569,648,へいまく591,634
カーニワ゛ル442
敷物カーペット284,285,286,613,635
炭素球カーボンきゅう230
『愛経』カーマ・スートラ梵語ぼんご原本127
カアル・テオドル207→マンハイム選挙侯207
帝王切開術カイゼル・シュニット633
カインの輩ともがら506,507
覆カヴァ613,絹シェード・228,230
長老組織カガール453
カスパー・リーマンの自企的絞死法417
類例集カズイスティク390
強喩法カタクレーズ333,488
窖(穴+石)祭時代カタコムブ355
棺龕カタファルコ349,609,・十字架・348,457,・カタファルコの蓋498,609,葬龕カタファルコ 355,357,巨大な石棺としか思われない・353,露地式・353,それ等の樹木に取囲まれた中央の・354
放射カタプルト式投石機バリスタ463
生理的洗滌カタルシス647,264→せいりてきせんじょう
類死カタレプシー320
切線カッティン・グライン576
『寺院』カテドラル451→ロダン
『使者神指杖』カデュセンス338→ソラヌス
カテリナ・ディ・メディチ198→近親殺害者
乱咲蘭カテリア・モシエ555

頭布カーチーフ

368
▼セレナ夫人は、毛並の優れた聖セントバーナード犬ドッグの鎖を握っていて、凡すべてが身長と云い容貌と云い、クリヴォフ夫人とは全く対蹠的な観をなしていた。暗緑色のスカートに縁紐バンドで縁取りされた胸衣ボディックをつけ、それに肱ひじまで拡がっている白いリンネルの襟布カラー、頭にアウグスチン尼僧が被るような純白の頭布カーチーフを頂いている。368p
■kerchief カーチフ,ネッカチーフ《婦人が髪押さえにかぶり,端をあごの下で結ぶ》
《詩》ハンカチ.[古期フランス語からcouvrir 'cover'+chef「頭」]【JSE】

聖マーガレット・マリー・アラコーク 聖画

緞帳カーテン

401,430,終幕の・,460,暗黒凶悪な・474,最後の幕のどんちょう?636,窓掛カーテン 437,帷幕カーテンで区切られた一劃471,・の外471,・の間630→たれまく,→とばり,→いばく
▼「サァ熊城君、終幕の緞帳カーテンを上げて呉れ給え、恐らく今度の幕が、僕の戴冠式になるだろうからね」460p
■curtain 窓にかけて日射しをさえぎり、また部屋の仕切りや装飾とする布。窓掛。劇場の舞台前面の幕。緞帳。 (比喩的に) 障壁。【広辞苑】

閉幕カーテン・フォール

569,648,へいまく591,634
▼遂に、黒死館事件の循環論の一隅が破られ、その鎖の輪の中で、法水の手がファウスト博士の心臓を握りしめてしまった――ああ閉幕カーテン・フォール。689p ■curtain fall 幕切れ;終わり【SSD】
★虫太郎の演劇趣味を象徴するキーワード。重要な箇所に二度使われる。

カーニワ゛ル

442
■carnival 謝肉祭。カトリック教国で四旬節(Lent)の直前の数日間にわたって行われる祭り【SSD】
★原注マッツオラタ(中世伊太利でカーニワ゛ルに於ける最も獣的な刑罰)

敷物カーペット

284,285,286,613,635
▼「いや、その不具な部分を俟ってこそ、殺人を犯す事が出来たのですよ。僕は貴方の肉体でなく、その手働四輪車と敷物しきものだけを見ているのです。多分ヴェンヴェヌート・チェリニ(文芸復興期の大金工で驚くべき殺人者)が、カルドナツォ家のパルミエリ(ロムバルジヤ第一の大剣客)を斃したと云う事蹟を御存知でしょうが、腕で劣ったチェリニは、最初敷物カーペットを弛ゆるませて置いて、中途でそれをビインと張らせパルミエリが足許を奪われて蹌踉よろめく所を刺殺したのでした。然し、算哲を斃すためには、その敷物を応用した文芸復興期ルネサンスの剣技が、決して一場の伝奇ロマンではなかったのです。つまり、内惑星軌道半径の縮伸と云うのは、要するに貴方が行った、敷物カーペットのそれに過ぎなかったのですよ。扨さて、犯行の実際を説明しますかな」284p
■carpet じゅうたん、もうせん、 じゅうたん地【JSE】

炭素球カーボンきゅう

230
▼検事はキョトンとしたが、それでも、彼のいう通りにすると、法水は再び死体の妖光を浴びながら、卓子灯スタンドに点火した。そうなって始めて検事に判ったのは、その電球が、昨今は殆んど見られない炭素カーボン球だと云う事で、恐らく急場に間に合わせた調度類が、永らく蔵われていたものであろうと想像された。230p
■エヂソンの發明した炭素電球は、竹を燒いて製した炭素線を用ひたが、これは、光が赤色を帶び、且熱を多く出し、電力が熱に費やされて不經濟なので、今はタングステンといふ金屬の細い線が專ら用ひられる。【學習】

東芝科学館ホームページより

『愛経』カーマ・スートラ梵語ぼんご原本

127
▼アウフレヒトの『愛経』カーマ・スートラ梵語ぼんご原本127p
■カーマ・スートラ[Kamasutra 梵]古代インドの性愛論書の1。バーツヤーヤナの作。成立は4-5世紀頃とされる。【広辞苑】
★出典不明

カアル・テオドル

207→マンハイム選挙侯207
▼──所もあろうに日本に於て、純中世風の神秘楽人が現存しつつあると云う事は、恐らく稀中の奇とも云うべきであろう。音楽史を辿ってさえも、その昔シュツウツィンゲンの城苑に於て、マンハイム選挙侯カアル・テオドルが、仮面をつけた六人の楽師を養成したと云う一事に尽きている。207p
■マンハイム楽派 Mannheimer Schule[ドイツ]
南西ドイツのマンハイムで栄えた前古典期の重要な楽派の一つ。一般に,音楽好きのファルツ選帝侯カール・テオドルが継位した1742年からバイエルン選帝侯としてミュンヘンに移った78年までを指す。とくに優秀な楽員を集めたその宮廷楽団は,統一されたボーイングと自在な強弱法など,当時の欧州随一の整然とした演奏能力を誇り,オーケストラ演奏とシンフォニア(交響曲)の発展に多大の貢献をした。この宮廷楽団を育成したチェコ出身のシュターミツをはじめ,リヒター FranzXaver Richter(1709‐89),ホルツバウアー IgnazHolzbauer(1711‐83),さらにカンナビヒ,シュターミツの息子カールおよびアントンら,優れた作曲家,演奏家が輩出した。(略)土田 英三郎【大百科】

カール・テオドル

帝王切開術カイゼル・シュニット

633
▼その伸子の一言は、依然レヴェズの自殺の謎を解き得なかったばかりではなく、更に法水へ苛責と漸傀を加え、彼の心の一隅に巣喰っている、永世とこよの重荷を益々重からしめた。然し法水は、遂にこの惨劇の神秘の帳を開き、あれほど不可能視されていた、帝王切開術カイゼル・シュニットに成功した。633p
■kaiserschnitt【SSDD】
■caesarean operation(section)【広辞苑】
■自然の生理的産道を通過することなく,子宮壁を切開して胎児を鞄出させること,およびその手術を帝王切開という。ローマのカエサルが子宮切開によって生まれたといわれるので帝王切開sectio caesarea(ラテン語)とする説が強いが,sectio が〈切開〉の意で caesarea も〈切られたもの〉を意味するところから,〈切る〉の重複語とする説も有力である。 (略)坂元 正一【大百科】
★マクベスにおける重要なキーワードは帝王切開であった。
 マクダッフ  その呪まじないひは駄目だと思へ。汝が常住ふだん信仰してゐる守神に聞き直して来い。マクダッフは、その母の腹を裂いて、生まれる前に取出された人間だぞ。
 シェークスピア「マクベス」第5幕第8場坪内逍遙譯 第三書館【ザ・シェークスピア】1989刊

武侠社刊「古代醫術と分娩考」より

カインの輩ともがら

506,507
▼尻軽娘はカインの輩ともがらの中に鎖じ込められ、猶太人ジュウは難問の中にて嘲笑う。凶鐘にて人形(カラギョス――土耳古の操人形)を喚び覚ませ、奢那ジャイナ宗徒共(仏教の別派)は地獄の底に横わらん。(以上は、判読的意訳である)506p
■Cain 旧約聖書の創世記に記されているアダムとイヴとの長子。自分の供物が神に嘉納されなかったため、嫉妬のあまり弟アベルを殺した。【広辞苑】

覆カヴァ

613,絹シェード228,230
■cover おおい,カバー(寝具用の)上掛け,毛布.包むもの.ふた【JSE】

長老組織カガール

453
▼最初に、ミッシネー・トラー経典(同十四巻の猶太教本教典)中にある、イスラエル王サウルの娘ミカル(註)の故 事――から始めて、次第に現代に下り、猶太人街ゲット内に組織されている長老組織カガール(同種族犯罪者庇護のために、相互扶助的虚言を以てする長老組織)にまで及んだ。そして、終りに法水は、それを民族的性癖であると断定したのであった。453p
★当時の反ユダヤ的風潮は作品随所に現れるがその出典は何なのだろうか?

カスパー・リーマンの自企的絞死法

417
▼なかにも、最早古典に等しいカスパー・リーマンの自企的絞死法などを持ち出して来て、死後切創が加えられる以前に、易介は自企的窒息を計ったのではないか――などと云う、頗る市井の臆測に堕したような異説も現われたくらいである。417p
★出典不明

類例集カズイスティク

390
▼所が、やはりあの女も、法心理学者の類例集カズイスティックから洩れる事は出来なかったのだ。390p
■casuistic 決疑論の、詭弁の【SSD】 kasuistik 決疑論【GDW】
★りえぞん様より下記のようなご指摘を頂きました。
黒死館辞典の「類例集カズイスティク」 のところで、少し気になることがあったので不遜も省みず、このメールを書くことにしました。
この、「類例集カズイスティク」 は、「決疑論」という意味ではなく、前後の文脈から考えて、鴎外が「カズイスチカ」で使ったのと同じ意味、すなわち「症例集」という意味ではないでしょうか?ちなみに小学館 独和大辞典にはこうあります。
Kasuistik 1.決議論[法](比)あらさがし、あげ足取り、穿鑿 2.[医]症例報告(集)

強喩法カタクレーズ

333,488
▼「ああ、まるで恐竜の卵じゃないか」
「だが、一体何に必要だったのだろう?」と検事は法水の強喩法カタクレーズを平易に述べた。333p
▼「うん、その十六世紀前期本インキュナビュラなんだがねえ。実は、それに似た空論が一つあるのだよ」と検事は沈痛な態度を失わず、詰るような険しさで法水を見て、「ねえ法水君、虹の下を枯草を積んだ馬車が通った。――そして、木靴を履いた娘が踊ったのだ、――すると、此の事件には一人の人間もいなくなってしまったのだよ。僕にはどうしても、この牧歌的風景の意味が判らないのだ。大体その虹――と云うのは、一体どう云う現象の強喩法カタクレーズなんだね」 488p
■catachresis 語の誤用【SSD】
★この検事と法水のネクラ漫才が黒死館に隠されたユーモアというものだろう。

窖(穴+石)祭時代カタコムブ

355
▼しかも、その耶蘇もまた異形なもので、首をやや左に傾けて、両手の指を逆に反らせて上向きに捻り上げ、揃えた足尖を、さも苦痛を耐えているかのよう、内輪へ極度に反らせているところは……更に、肋骨が透いて見えて、如何にも貧血的な非化体相と云い……その凡すべてが、B(穴+石)祭カタコムブ時代のものに酷似してはいる、が却ってそれよりも、ヒステリー患者の弓状硬直でも見るようで――如何にもそう云った、精神病理的な感じに圧倒されるのだった。355p
■catacomb 地下埋葬所 【SSD】墓窖ハカアナ【研究社】
■the Catacombs (ローマの)カタコーム、初期キリスト教徒の避難所となった。【SSD】
■〈アド・カタクンバスad catacumbas〉【大百科】
★初期キリスト教の表現では磔刑は象徴的に表現されており、具体的に表現されるようになったのは中世以降、さらに中世末期にいたって苦悶する異形の磔刑図が表されるようになった。だから、このコメントには若干の思い入れによる誤解があるかもしれない。

カリストゥス・カタコンブ内部

棺龕カタファルコ

349,609,・十字架・348,457,・カタファルコの蓋498,609,葬龕カタファルコ 355,357,巨大な石棺としか思われない・353,露地式・353,それ等の樹木に取囲まれた中央の・354
▼実は支倉君、この葬龕は並大抵のものではないのだ。ボズラ(死海の南方)の荒野にあって、昼は鬣狗ハイエナが守護し、夜になると、魔神降下を喚き出すと伝えられる――死霊集会シェオールの標なんだよ」と法水は横なぐりに睫毛まつげの雪を払って、云った。「だが僕は猶太ヤーウェ教徒でも利未リビ族(猶太教で祭司となる一族)でもないのだからね。眼前に死霊集会シェオールの標しるしを眺めていても、それをモーゼみたいに、壊さねばならぬ義務はないと思うよ」355p
■catafalque (名士などの葬儀に用いられる)棺安置台[伊 catafalco]【SSD】

スペイン中部にあるカタファルコ

放射カタプルト式投石機バリスタ

463
■catapult射出機(大矢,大石などを敵陣に打ち込む古代の武器)【SSD】
■ballista 弩式投石機【SSD】【古代技術103p】
■小型のモルガルテン戦争当時の放射式投石機
★カタプルトとバリスタは別の兵器のようだが?
 カタパルト
 バリスタ

類死カタレプシー

320
■catalepsy 強硬症(突然意識と感覚を失い筋肉硬直し自主的運動力を失った状態 ヒステリー・精神分裂病・てんかんなどの発作に伴って起こる).【SSD】
■katalepsie 蝋屈症【SSDD】
▼「勿論明白なものさ。然し、失神――だからこそなんだ。それが精神病理学の領域にあるものなら、古いペッパーの『類症鑑別』一冊だけで、悠に片附いてしまうぜ。無論癲癇でもヒステリー発作でもないよ。また、心神顛倒は表情で見当が附くし、類死カタレプイシーや病的半睡モウビット・ソムノレンスや電気睡眠エレクトリッシュ・シュラッシュヒトでも決してないのだ」320p

生理的洗滌カタルシス

647,264→せいりてきせんじょう
▼それは、一口に云えば遊戯的感情――一種の生理的洗滌さ。人間には、抑圧された感情や乾き切った情緒を充すものとして、何か一つの生理的洗滌カタルシスが要求される。
■Katharsis 心の浄化;悲劇による激情の浄化。【SSDD】 ■catharsis浄化法 (恐怖・コンプレックスなどをはっきり意識に上らせてそれを人に語って軽減する精神医学の療法)【SSD】

切線カッティング・ライン

576
■cutting line 曲面上の任意の曲線を考え、その上の任意の一点を通る接線を引く時、これを曲面のその点における曲線の方向の接線という。【広辞苑】
▼そして、目前の惨事に、最初から現われて来た事象を整理して、その曲線に、一本の切線カッティング・ラインを引こうと試みた。576p

『寺院』カテドラル

451→ロダン
▼「いや、同じ彫刻の手でも、僕はロダンの『寺院』の事を云っているのだよ」451p

『使者神指杖』カデュセンス

338→ソラヌス
▼続いてソラヌスの『使者神指杖カデュセンス』を始め、338p
■caduceus (翼のある棒に2匹の蛇が巻き付いた)神々の使者Mercuryの杖(医術の表象)【SSD】
■カドゥケウス  古典古代の神ヘルメス(メルクリウス)の持ち物となる以前から、この杖は近東の諸宗教において神々の伝令と結びつけられていた。【解読事典】
■『万能杖』ル・ロワイエ 1674【呪術 ロニー クセジュ】

カテリナ・ディ・メディチ

198→近親殺害者
▼「つまり、降矢木の血系が、カテリナ・ディ・メディチの隠し子と云われるカペルロ・ビアンカから始まっていると云う事なんだが、その母子おやこが揃って、怖ろしい惨虐性犯罪者と来ている。カテリナは有名な近親殺害者で、おまけに聖バーセルミュウ斎日さいじつの虐殺を指導した発頭人ほっとうにんなんだし、また娘の方は、毒のルクレチア・ボルジアから百年後に出現し、これは長剣の暗殺者と謳われたものだ。所が、その十三世目になると、算哲という異様な人物が現われたのだよ」198p
■カトリーヌ・ド・メディシスCatherine de Medicis [It.caterina de' Medici](1519-89)【IB】
■【カトリーヌ・ド・メディシス O.ネーミ,H.ファースト 文庫 中央公論社】

乱咲蘭カテリア・モシエ

555
▼「最初は、あの怖ろしい出来事が起りました当日の午後で御座いましたが、その時旗太郎様が珍らしくお見えになりました。それから、昨日はセレナ様が……あの方は、この乱咲蘭カテリア・モシエを大層お好みで御座いまして。ですが、このヤポランジイの葉だけは、仰有られるまで一向に気が附きませんでした」555p
■カトレア Cattleya [羅] カトレア属を主体とする洋蘭の園芸種の通称。ブラサボラ・レリアなどの諸属との属間交配種も極めて多い。花は大輪で美しく、温室で栽培。また、広くは、ラン科カトレア属の植物(その学名)の常緑多年草で、熱帯アメリカに約60種。葉は革質で厚く、茎は仮球茎(バルブ)をなす。花は大輪。木などに着生する。カトレヤ。【広辞苑】
■カトレア・モシアエ Cattleya mossiae Hook. 【大百科】

△辞典リスト   △PAGETOP